複雑なスタート方式でも即座に順位表示。天竜川カヌー大会のGPS活用術
大会概要と導入の背景
2026年8月23日、長野県高森町にて「第52回 全日本天竜川カヌー競技大会」が開催されました。山吹ほたる公園から飯田市松尾までの天竜川約11kmを舞台に、115名の選手が14クラスに分かれて競い合う、歴史ある大会です。昨年の第51回大会に続き、今年もHAWKCASTによるGPSタイム計測をご活用いただきました。

実は今大会には特別な意味がありました。2028年に開催予定の国民スポーツ大会(国スポ)カヌー競技の準備のため、本大会はこの後2年間の休止が予定されているのです。節目となる大会だからこそ、正確でスムーズな運営が強く求められていました。


図:GPSの配布(全選手がGPSトラッカーを携行し安全対策を行なっています)
天竜川カヌー大会には、他の大会にはあまり見られない運営上の特徴があります。それは、選手が1分間隔で順次スタートする方式を採用していること、そしてクラスによっては複数の選手が同時にスタートするケースがあることです。同じ大会の中でもスタート時刻のパターンが一様ではなく、非常に複雑な構成になっていました。
従来のHAWKCASTでも、ゴール時刻を自動で取得すること自体は可能でした。しかし、このように複雑なスタート方式が絡むと、「誰が何時にスタートしたか」を正確に紐づける処理が追いつかず、選手がゴールしてもすぐにタイムや順位を表示できないという課題がありました。
HAWKCASTによる解決策:公式スタート時刻との同期
この課題に対し、今回のHAWKCASTではスタート時刻を大会公式のタイムスケジュールと完全に同期させる仕様を導入しました。

図:トラッキングサイトでは位置情報に加え、リアルタイムのリザルトが確認できます
- 1分間隔スタートのクラスも、同時スタートのクラスも、それぞれの選手の正確なスタート時刻をあらかじめシステムに登録
- GPSで取得したゴール時刻と、登録済みの公式スタート時刻を自動的に突き合わせ
- 選手がゴールラインを通過した瞬間に、所要タイムと暫定順位を即座に算出
これにより、大会本部や選手・関係者は、ゴール直後にその場で順位を把握できるようになりました。複雑なスタート方式という、これまでシステム側の課題となっていた点を正面から解決した形です。
【重要】導入成果:思わぬ形で発揮された安全面での効果
今大会で特に印象的だったのは、タイム計測とは別の場面でHAWKCASTが果たした役割です。大会中、選手1名が救急搬送されるという事態が発生しました。
このとき、大会本部ではHAWKCASTを通じて選手の位置情報をリアルタイムに把握できていたため、通報のあった場所、救護スタッフの位置、そして傷病者本人の位置を即座に特定することができました。その結果、迅速に救急車での搬送につなげることができたといいます。こうしたGPSによる安全管理の考え方は、屋外スポーツイベント全般の事故防止・救護体制づくりにも応用できます。

「GPSで位置がすぐに分かったおかげで、対応がとても早くできました。」
――大会主催者様より
タイム計測のために導入したシステムが、緊急時の安全管理・救護対応という形でも力を発揮した事例です。大会主催者様からも感謝のお言葉をいただきました。
今回のHAWKCAST導入で得られたベネフィット
- 複雑なスタート方式でも正確な即時順位表示:1分間隔スタート・同時スタートが混在しても、ゴール直後にタイムと順位が分かる
- 緊急時の迅速な安全対応:選手の位置をリアルタイムに把握でき、救護・搬送対応がスピーディに
- 大会本部の状況把握力の向上:GPSデータにより、コース全体の状況を本部から一元的に確認可能
複雑なスタート方式を採用している大会や、屋外・広域コースでの選手の安全管理に課題をお持ちの競技団体・自治体様は、ぜひ一度天竜川カヌー大会のようなHAWKCASTの活用をご検討ください。
「自分の競技でも使えるか知りたい」「デモを見てみたい」という方も、お気軽にお問い合わせください。競技特性に合わせたご提案をいたします。
N-Sports tracking Lab合同会社代表の横井です。
主に技術開発を中心に投稿します。愛知県出身、鎌倉市在住。
ハードウェア、バックエンド、フロントエンドまで開発しております。
Windsurfing Labを立ち上げ、センシングで速くなるプロジェクトも推進しております。




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