「運営車両」も見逃さない。アジア最高峰レースを支えた“隊列可視化”システム【宇都宮ジャパンカップ】
2025年10月、アジア最高位の自転車ロードレース「宇都宮ジャパンカップ サイクルロードレース」が開催されました。
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世界トップクラスのUCIワールドチームが集結し、宇都宮市森林公園の周回コース(10.3km)を疾走する本大会。
その舞台裏で、HAWKCASTによる「全選手・全運営車両の完全可視化」という新たな挑戦が行われました。
本取り組みは、NTT東日本 栃木支店様 との連携により実現しました。
https://www.japancup.gr.jp/news/node/7331
山岳コースの「死角」をなくせ。現場の課題
森林公園コースは起伏が激しく、木々に囲まれた山岳エリアが大半を占めます。
これまで運営本部は、無線や定点カメラの情報を頼りにレース状況を把握していましたが、そこには常に「見えない不安」がありました。
「あの車両は今どこにいる?」
ロードレースの安全運営において、選手の位置と同じくらい重要なのが、「運営車両(コミッセールカー、メディカル、ニュートラルカーなど)」の位置把握です。
「集団から遅れた選手を回収車が拾ったか?」「審判車は適切な位置にいるか?」。
これらが正確に分からないと、集団復帰の許可や、一般交通規制の解除タイミングなど、安全に関わる重要な判断が遅れてしまうリスクがありました。
解決策:運営車両も含めた「隊列」の可視化
今回HAWKCASTが提供したのは、単なる選手トラッキングではありません。
全参加選手に加え、コース上の主要な運営車両にもGPS端末を搭載し、一つのマップ上で同時に表示させました。


これにより、以下のような「隊列の全貌」が本部モニターで一目瞭然となりました。
- 先頭集団とメイン集団のギャップ(秒差・距離)
- その間にどの運営車両(審判・メディア・ニュートラル)が挟まっているか
- 後方のグルペット(完走目的の集団)と最後尾車両の位置関係
「この車両を先に行かせて」「ここで規制解除してOK」。
マップを見ながら、まるで将棋の駒を動かすように的確な指示出しが可能になり、スムーズかつ安全なレース運営に大きく貢献しました。
観戦体験の変革:「いつ来るか」が分かる興奮
このシステムは、運営だけでなく観客にも開放されました。
(会場限定のWi-Fi等を通じて特設サイトへアクセス)

YouTube配信よりも「速い」リアルタイム性
現地で観戦された方から特に好評だったのが、そのリアルタイム性の高さです。
YouTubeなどの映像配信はどうしても30秒〜数分の「タイムラグ(遅延)」が発生します。
しかしHAWKCASTのGPSデータは、ほぼ遅延なく現在地を表示します。
「配信ではまだ山頂なのに、マップを見るともう目の前のコーナーまで来ている!」
「あと10秒で来るぞ!」
コース上のあらゆる場所に散らばっている観客にとって、「選手がいつ自分の目の前を通過するか」が手に取るように分かることは、観戦の質を劇的に向上させます。
「見えない時間」を「ワクワクして待つ時間」に変える。それがGPSトラッキングの持つエンターテインメント性です。
今後の展望
選手だけでなく、運営車両も含めた「レース空間すべて」をデジタルツイン化する。
今回の宇都宮ジャパンカップでの成功は、大規模なロードレース運営における新しいスタンダードを示しました。

HAWKCASTは今後も、NTT東日本をはじめとするパートナー企業と連携し、スポーツの「運営」と「観戦」の両面からDXを推進していきます。もっともっとロードレースを盛り上げてまいります!
N-Sports tracking Lab合同会社代表の横井です。
主に技術開発を中心に投稿します。愛知県出身、鎌倉市在住、趣味はウインドサーフィン。
ハードウェア、バックエンド、フロントエンドまで開発しております。






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