【世界初の競技支援システム】LAKE BIWA TRIATHLON IN MORIYAMA
2022年7月2日に滋賀県南西部の琵琶湖岸にて開催されたトライアスロン競技大会「Lake BIWA Triathlon in Moriyama」において、HAWKCASTの実証実験が行われました。今回は、内閣府宇宙開発戦略事務局が推進する”準天頂衛星みちびき”の高精度測位技術を活用し、リアルタイムに全選手の位置情報を正確にトレースすることで、コロナ禍の競技運営上の課題解決の検証をしました。
導入前の課題
(1)分散スタート方式におけるリアルタイムのレース状況把握
コロナ禍の開催となりみつを避けるために、一斉スタートではなく、5名ずつ5秒おきにスタートするローリングスタート(分散スタート方式)で行われました。そのため、ただ単純に走っている順位では、時差がない場合の選手の順位とは異なっていたため、一斉スタート時の順位がリアルタイムに把握するのが難しい状況でした。
(2)コース設営の効率化
スイム、バイク、ランの3つの種目から構成されるトライアスロン競技ですが、そのうちの1つであるスイムは4基のブイ(浮体)を2周する1.9kmのコースを設営します。これまではブイを海上に設置するために、ジェットスキーでコースを周回し、GPSウォッチなどの簡易距離計測機能で概算し、コースの長さ調整を何度も繰り返す必要がありました。
解決策(検証ポイント)
(1)秒単位で選手をトレース
SLAS対応GNSSデバイスのデータを集約し、 リアルタイム位置ビューア(HAWKCAST)を用いてWebサイト上でライブ中継し、リアルタイム順位やコース外走行などが把握できるようになりました。また、レース終了後には、選手の一斉スタートを仮定した場合のトラッキング軌跡バーチャルレースがwebで公開しました。https://n-sportstracking-lab.com/triathlon_t2
(2)MAP上でのコース設営
各ブイ(浮体)にSLAS対応GNSSデバイスを装着し、スタート/ゴール地点やブイなどとの直線距離をHAWKCASTのマップ上で確認しつつ、無線で指示を送り、的確な場所への設置を一度で行うことが出来ました。
今後に向けて
コース設営に関しては以前よりも設営時間が半分以下となり、大会運営の円滑化だけでなく、運営スタッフの疲労軽減にも大きく貢献しました。今度も、位置情報をMAPで確認する事で迅速なコース設営の手助けを行っていきたいと考えます。
また、コロナ感染対策として少人数スタートした協議をあたかも同時に競技をおこなったかのようなバーチャルレース観戦システムを開発し、様々な状況でのバーチャルレースを再現することができました。選手向けのレポートデータの提供は、試行的な取り組みでしたが、複数回の競技実績データの積み重ねにより、経時的な変化や特徴を知ることができ、競技会参加への新たなきっかけづくりとなりました。今後は、参加者のニーズを汲み取り改善し、位置情報を活用した競技会へのより高い参加意欲が得られるよう取り組んでいきます。
大会に関するHP
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【世界初!実証実験】Lake Biwa Triathlon in Moriyamaにおいて 準天頂衛星みちびきの高精度測位技術を活用した 世界初の競技支援システムの実証実験を実施 | TRI-X
[報告] 琵琶湖のトライアスロン大会でSLASを活用した実証実験を実施|イベント情報|みちびき(準天頂衛星システム:QZSS)公式サイト – 内閣府